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住宅宿泊事業 民泊営業許可

[注意喚起]民泊新法と下宿業(旅館業法)併用は違法です。

吉田晃汰

こんにちは。デコレート行政書士事務所の吉田です。

日々民泊や旅館業の手続きをサポートする中で、多くのご相談をいただいています。

昨今の民泊セミナーやSNS上で、目立つのが「民泊(住宅宿泊事業)と下宿業(旅館業法)を併用できるのではないか」というものです。

結論から言えば、この二つは根本的に異なる制度であり併用による営業は違法となります。

この記事では、その理由と注意点を整理してお伝えします。

民泊の要件

住宅宿泊事業法に基づく「届出住宅」は、あくまで住宅であることが前提です。住宅として認められるためには、以下のいずれかに該当しなければなりません。

  • 現に人の生活の本拠として使用されている家屋
  • 従前の入居者の賃貸借の期間の満了後新たな入居者の募集が行われている家屋
  • 所有者や賃借人が随時居住に用いている家屋

反対にレンタルスペースや事務所利用など、事業の用に供されている建物は住宅から除外されます。

また近年SNSや民泊セミナーで話題の「下宿営業」とは、施設を設け、一月以上の期間を単位とする宿泊料を受けて、人を宿泊させる営業を言います。

しかし、下宿営業に関しては住宅宿泊事業法上の「住宅」要件には何ら該当しません。

再度、民泊新法の住宅要件を示します。

  • 現に人の生活の本拠として使用されている家屋
  • 従前の入居者の賃貸借の期間の満了後新たな入居者の募集が行われている家屋
  • 所有者や賃借人が随時居住に用いている家屋

そのため、民泊として届出をした住宅で下宿業許可を同時に取得することはできません。

マンスリー利用(不動産賃貸業)は可能?

民泊では「入居者募集」の形態として、マンスリーマンションのように1か月単位の利用を取り入れることが可能です。

ただし、これは住宅要件を満たす一手法に過ぎず、下宿業とは異なります。

厚生労働省も、旅館業を「宿泊料を受けて人を宿泊させる営業」と定義し、アパートや間借りのように生活の本拠を置く賃貸借は旅館業に含まれないと示しています。

したがって「30日以上か未満か」という単純な日数区切りだけで両者を区別しているわけではありません。

「1か月」区切りの本当の意味

行政上「30日以上なら住宅扱い」とされるのは便宜的な基準です。最高裁判所の判例も、住所の所在を判断するには「定住の意思」と「定住の事実」を総合的に考慮すべきだと示しています。

電気・ガス・水道といったインフラ契約が1か月単位で動くことを踏まえると、行政が便宜的に「1か月」を区切りとして採用することには一定の合理性がありますが、それだけで旅館業法の適用を左右するものではありません。

生活実態や衛生管理の責任所在など、複数の要素を総合判断する必要があります。

まとめ

  • 民泊と下宿業は制度的に両立しない
  • 民泊は「住宅」の要件を満たすことが大前提
  • マンスリー利用は可能だが下宿業とは全く別の制度
  • 「30日以上」という基準は行政上の目安に過ぎず、最終的には生活実態によって判断される

民泊を下宿業と誤って併用すれば、届出の効力を失ったり、違法営業と見なされるリスクがあります。

制度の違いを正しく理解し、適切な形で事業を運営することが重要です。

当事務所では、民泊・旅館業の申請や開業に関するご相談を随時承っております。制度を誤解したまま進めてしまう前に、ぜひ専門家へご相談ください。

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